幸せ駅ひとつ前

被災にゃんの一時預かり日記。幸せな家族の元に嫁ぐまで仮の宿を提供しています。

立派な猫バカができるまで・その4

当然そんな日々は長くは続きません。その年の夏の初め、おばさんが心配そうにハートがご飯に来ない、と言うのです。数日後ハートは交通事故で死んでいた事がわかりました。おばさんの事を知っていたおまわりさんが交通事故にあった猫がいると知らせてくれたのです。おばさんは確認に行き、その子はハートでした。

ずっと一緒に育った兄弟を亡くしたシマは暫く食欲も落ち、元気もありませんでした。ハートの事があって以来、ますますシマの事が心配になったのですが、仕事の忙しさに紛れ、シマが元気を回復したこともあり、そのままの状態で夏を迎えたのです。

 

9月の初め、餌場にシマが来なくなりました。おばさんも私も心配で・・・

おばさん曰く1日来ない事はあったけど2日続けてこないことはなかったって。3日たっても4日たっても、シマは現れません。もしやハートと同じように事故にあっているのだろうか、と悪い想像はいくらでも出来ました。

シマがいなくなって1週間と1日。餌場の正面のマンションの方から電話がありました。私の職場はそのマンションの地下にあり、その方とおばさんはお知り合いで、私とも仲よくしていただいていたのです。第一声が「シマがいたよ!!」でした。でも興奮しているから、仲良かった私に来てほしい、と。慌てて駆け付けたところ、シマはいつもの餌場の石垣に飛び上がろうとしていました。

シマはマンションの明り取りの地下のくぼみに落ちていたそうです。地下の窓を開けたところ、かすかにニャーという声を聴き、窓を開けてくぼみを覗き込むとシマがいたそうです。おそらくは1週間と1日、そこに閉じ込められていたのでしょう。

すっかり衰弱していて、いつもなら簡単に飛び上がれる石垣にも上がることが出来ません。急いでおばさんに電話し、病院に連れて行ってもらう事に。餌場からおばさんのお家までは300M位。弱りながらも自分のテリトリーである公園に戻りたがるシマを抱っこし、おばさんの家に連れて行きました。これが初めてシマを抱っこした時です。

 

その5に続く