幸せ駅ひとつ前

被災にゃんの一時預かり日記。幸せな家族の元に嫁ぐまで仮の宿を提供しています。

さゆさんのこと。

仕事場が今の場所に移転して6年。その前から彼女はそのあたりに住んでいました。

後ろ足が一本欠損した三毛の女の子。

 

安定した餌場とねぐらはあったのでしょう。私が彼女の姿を見るのは年に数えるほど。3本足とは思えないスピードダッシュで逃げる後姿を見送りながら、頑張れ~と心の中で応援するのみでした。

 

その彼女が久しぶりに姿を現したのが去年の6月。元気にダッシュしていた頃とは違い、ガリガリのボロボロでした。仕事場は駅に近く、再開発の真っ最中。餌場とねぐらを失ったコトは十分推測出来ました。

 

近づく事は出来ないものの、2,3メートルの距離を置いて、目を合わせる事が出来、呼びかけると鳴いて返事をします。

悩みました。でも彼女は仕事場の駐車場に居ついてしまいます。ガリガリのボロボロを見ていられず、保護を決意しご飯をあげました。

 

この場所で活動している地域猫の会さんから捕獲器をお借りし、設置したのが7月頭。ところが6月に一度地域猫の会さんに捕獲、リリースされていた彼女は捕獲器をしっかり覚えており、絶対に入りません。捕獲器の正面、少し離れたところに座り込み、中のご飯をじ~っと見つめている始末です。徹夜で数日粘りましたが、断念。長期戦を覚悟しました。

 

そして、あかりんの闘病と見送りがあり・・・・

夏の嵐の時には数日姿を見せない事もあり、もう諦めようかと思った事も正直ありました。

9月に入り、ようやくウエットをお皿から食べてくれるようになり、もしかしたらと希望が出てきたのですが、そのあたりから一気に口内炎が悪化。

10月にはカリカリが食べれなくなり、10月半ばくらいからは、ボーノスープ4本が精一杯に。捕獲器をかけたくても、食べ物につられない彼女には難しいと考え、何時も彼女が縮こまっている駐車場の角のスペースにキャリーを置かせてもらいました。

 

幸いキャリーが気に入ってくれたようで、朝はその中で眠っている事を確認。

イチかバチか、11月6日の朝、キャリーでの捕獲に挑戦しました。

何度も何度もイメトレし、震える手を叱咤激励し、出来る限り静かに冷静に、なおかつ最大限素早く、キャリーの前に回り込み、扉を閉めました。

キャリーからダッシュで逃げようとする彼女の手が扉ごしに触れた感触は忘れられません。本当にタッチの差で猫の神様は私に微笑んでくれました。

 

そのまま、外猫さんに理解のある病院へ、初期治療と預かり入院をお願いしました。

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    にゃんで、こんなとこに閉じ込めるにゃ~!!

 

あんまりにもバッチくて臭かったので、入院翌日シャンプーをしてもらいました。

歯は犬歯より奥は全部抜歯。ノミとシラミが凄く、キャリーには吸血された血の跡が点々とついていました。白血病陰性、エイズ陽性。難治性口内炎と判明。年齢は推定で8~10歳前後。

 

これからの猫生、白湯のように、まったりとぬるく、ゆったり過ごして貰いたいと思い、さゆさん、おさゆさんと命名(笑)

 

2週間の預かり入院を経て、kerikeri家保護部屋ケージに入居なさいました。

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    アタチは騙されにゃいんだ~~~!!

 

色々不安はあったものの、おさゆさん、今では指からご飯を食べますし、お口ケアの乳酸菌を水で溶いたものを指でお口の中に塗らせてくれます。

シリンジでお水を飲む事も覚えました。

これは、万一口内炎が悪化し強制給餌になった時に少しでもストレスがないようにと、乳母が先行してどんどん教えている感じです(笑)

 

他の猫さんに対しても、殆ど反応せず、ケージの扉をあけておいても出ようとしない引き籠りっぷりを発揮中です(*^.^*)

 

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      ココは安全でしゅからにゃ~~

 

う~ん。お家の中はきっと安全だよ~。

そろそろ出てこない???(笑)

 

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     今のところ、間に合ってますにゃ~~

 

ま、さゆさんが良いなら、それで良いよ~~(笑)

 

さゆさん、現在難治性口内炎を退治すべく、頑張り中です。

保護時、背骨がひとつづつ浮き出ていたガリガリの体には大分お肉がついてきました。

ナデナデとマッサージがお気に入りです(*^^*)

きっと甘ったれの三毛女となることでしょう。

 

一緒に頑張ろうね、さゆさん!!

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    え~、さゆはもう頑張りませんにゃ~~

 

さゆさんは、ゆっくりのんびり、食べて寝てを頑張ってくれればいいんだよ~(笑)

 

ご飯が食べれなくなり、痩せて衰弱していっていたさゆさん。

あのタイミングで保護出来なければ、恐らくこの冬の寒さは耐えられなかったでしょう。さゆさんは幸いにもお家生活が始まり、その生活にも馴染んでいくことが出来ています。

でも、お外で優しい手を知らずにじっと寒さと飢えに耐えている子達は沢山、沢山います。どうか1にゃんでも安心と美味しいご飯を手に入れられる子が増えますように。猫は野生動物ではありません。生きていくためには人の愛情と手助けが必要な愛すべき命です。幸せなしっぽサン達が増えますように!!

 

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リュウ、るり、しゅりがお家を探しているkerikeri家です。

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